絵本ハブルータジェレミー・フィッシャー
0はじめに
1ワクワク
2きもち
3読む
4なにがあった
5なぜ?もし?
6やってみる
絵本ハブルータ · 夏

カエルのつりびと、
ジェレミー。

Beatrix Potter『The Tale of Mr. Jeremy Fisher』 / 1906年 — イギリス

Mr. Jeremy Fisher cover

Beatrix Potter《The Tale of Mr. Jeremy Fisher》1906 — パブリックドメイン

今日は 6つの 流れで、親子で 絵本ハブルータを 進めます。

読むワクワクきもち を ふくらませて、
読むあとなにがあった?なぜ?もし?やってみる で 深めていきます。

始める前に — 大人の 3つの 心がまえ

01
答えを 教えない
「正解」も「間違い」も ありません。子どもの どんな 言葉も「そう 思ったんだね」と 受け止めるだけ。
02
"知らないふり" をして、一緒に 考える
「お父さん/お母さんも わからないなぁ、なんでだろうね?」と 並んで 悩んでいい。同じ目線が 大事。
03
沈黙を、待つ
子どもが 沈黙しているとき、それは "考えている時間"。3秒待って、それでも黙っていたら「お父さんはこう思うんだけど…」と先に出して、また待つ。
進め方のコツ 全部 やる必要は ありません。1段階で OK。「読む前」だけ、「読んだあと」だけ でも 立派なハブルータです。今日 上の タブから 進めたい流れを 選んでみてください。
FLOW 01 / 読む前 · ワクワク

表紙だけ 見て、
予想してみよう。

まだ 中は 開けません。表紙を 30秒、じっと 見つめます。

Mr. Jeremy Fisher cover
👀 観察(おとなが ガイドする 一言)
表紙に いるのは どんな 生きものかな?
手に を 持ってる?
足の 下に ある みどりの 葉っぱ、なんだろう?
親子で 話そう · ワクワク
この絵本、どんなお話 だと思う?
表紙の絵から 予想するだけ。「正解」じゃなくて「想像」が 大事。
この カエル、いま 何してる?
つりをしてる? お散歩してる? 池で 遊んでる?
カエルが 立っている みどりの 葉っぱ、なんだと思う?
船? いかだ? 池に うかぶ スイレンの 葉っぱかも。なぜ そう思った?
保護者の方へ ここで 正解を 言わなくて 大丈夫。子どもが「船に のってる!」と言ったら「お、なんで そう思ったの?」と もう一つ 問い返す。これが ハブルータの 基本です。
FLOW 02 / 読む前 · きもち

ひとりで 池に いる
カエルの きもち。

物語に 入る前に、この カエルの「気もち」を 想像してみます。

Jeremy fishing on a lily-leaf
👀 観察
カエルの を よく見て。目は どんな 表情? まわりには 何が ある? お天気は どう 見える?
親子で 話そう · きもち
この カエル、今 どんな 気もち?
わくわく? のんびり? ちょっと さみしい? なんで そう思った?
ひとりで 池の まんなかに いるって、どんな かんじ かな?
しずか? こわい? 気もちいい?
君が この池に いたら、どんな きもち かな?
つりが したい? 帰りたい? 水に さわってみたい?
保護者の方へ 「きもち」を 言葉に する練習は、思いやりの 土台です。「わからない」って 言われたら「お父さんは ◯◯に 見えるなぁ」と 自分の感じ方 を 先に出してみてください。
FLOW 03 / 本番 · 読む

止めずに、
最後まで 読みます。

1ページずつ 絵を 見せながら、ゆっくり 読み聞かせます。

朗読のコツ 子どもの「これ なに?」を 一回だけ 受けて、すぐ 物語に 戻す。深い問いは 読み終わったあとに まとめて 扱います。今は 物語の リズムを 大事に。
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page 1

むかし、ジェレミー・フィッシャーという カエルが いました。

池の ほとりの、じめじめした 小さな 家に すんでいます。雨で 足が ぬれても へっちゃら。だって カエルですから。

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page 2

ある雨の日、ジェレミーは 思いました。

お魚を つって、お友だちを 夕ごはんに よぼう!

レインコートを 着て、長ぐつを はいて、つりざおを かついで 出かけました。

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page 3

ジェレミーの 舟は ── まあるい スイレンの 葉っぱ!

ぴょんと とびのって、長い さおで 池を ついて、すいすい 進みます。

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お気に入りの ばしょは、池の まんなか

「ここなら きっと たくさん つれるぞ」

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page 5

つり糸を そっと たらして、ジェレミーは じっと まちました。

まって、まって、また まって ──

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葉っぱの 上で、ジェレミーは のんびり 足を ぶらぶら。

「お魚さん、はやく こないかなあ」

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その時 ── つんっ、つんっ!

足の ゆびを 何かが つつきます。見ると、大きな ミズスマシ! ジェレミーは あわてて 足を ひっこめました。

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つぎは、ガサガサ…… ザブン!

近くの くさむらを、何かが およいで いきました。「あれは ネズミじゃ ないよね?」 ジェレミーは どきどき。

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そのとき、さおが ぐいっ!

「やった、つれた!」 引きあげると ── 小さな トゲウオが ぴちぴち はねています。

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ところが トゲウオは、せなかに とげとげが いっぱい。

「いたたっ!」 ジェレミーは ゆびを チクッと さされて、ぷかぷか 池に すわりこんで しまいました。

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すると ── バッシャーン!!

とつぜん、池の そこから 大きな マスが とびあがり、ジェレミーを ぱくっ と のみこんで しまいました!

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でも マスは、ジェレミーの レインコートの あじが だいきらい。

「ぺっ!」と はきだしました。ジェレミーは 長ぐつだけ なくして、いそいで きしへ およいで、ぴょこんと 草の 上に はい上がりました。

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びしょぬれで うちに かえった ジェレミー。

でも 元気いっぱい。だって 今夜は ── お友だちと 夕ごはんの やくそく!

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やってきたのは、イモリの アイザックさんと、カメの トロメーさん

お魚は つれなかったけれど、みんなで わいわい、たのしい 夕ごはん。ジェレミーの 一日は、ぶじ おしまい!

— おしまい —

FLOW 04 / 読んだあと · なにがあった

お話を 一緒に、
思いだしてみよう。

「正解の あらすじ」じゃなくて、子どもの記憶の通り 思い出します。

👀 観察(親が 一緒に 思い出す)
ジェレミーは 何に のって 出かけた? どんな 生きものに 出あった? 大きな マスに のみこまれた あと、どうやって 助かった? 最後は 何を した?

※ 子どもが 違うことを 言っても 訂正しない。「お父さんは ◯◯だと思ってた」と 並べる だけ。
親子で 話そう · なにがあった
いちばん 印象に 残った 場面は どこ?
「マスが でてきたとこ」「ぶらぶら 足を してたとこ」── どんな理由でも OK。
でてきた 生きもの は だれだった?
ジェレミー、ミズスマシ、トゲウオ、大きな マス、イモリの アイザックさん、カメの トロメーさん。
物語の 順番 を 思い出せる?
「最初は ◯◯ → そのあと ◯◯」── 絵を 指さしながらでOK。
FLOW 05 / 読んだあと · なぜ?もし?

深く 考える、
5つの 問い。

「はい/いいえ」で 答えられない 問い。これが ハブルータの 核心です。

The big trout scene
①「なぜ?」のタイプ — 行動の理由を 探る
なぜ?ジェレミーは なぜ、雨の日なのに わざわざ つりに 出かけたんだろう?
お友だちに ごちそうしたかった? つりが 大すき? 雨が へっちゃらだから?
②「きもち」のタイプ — 内側の感情を 想像する
きもち大きな マスに ぱくっと のみこまれた とき、ジェレミーは どんな きもち だったかな?
びっくり? こわかった? 「もう だめだ」と 思った?
③「もしも」のタイプ — 別の展開を 考える
もしももし マスが ジェレミーの あじを 気に入って いたら、どうなっていた?
食べられちゃった? 逃げる ほうほうは あった? レインコートが 助けて くれたね。
④「わたしなら」のタイプ — 自分の立場で 考える
わたしなら君が ジェレミーだったら、こわい目に あった あと、また つりに 行く? 行かない?
行く理由は? 行かない理由は? どっちでも いいんだよ。
⑤「ほんと?」のタイプ — 視点を ひっくり返す
ほんと?ジェレミーの 一日は、本当は さんざんだった? それとも たのしい 冒険だった?
お魚は つれなかった。でも 無事に 帰れて、お友だちと ごはん。どっちだと 思う?
5つ 全部 やる必要は ありません。 1つで 十分。子どもが いちばん のってきた 問いを 深ぼり するだけで OK。完璧な問いを 用意しなくていい。子どもの 言葉から、次の「なぜ?」を 拾うだけ。
FLOW 06 / 読んだあと · やってみる

毎日に、
持ち帰ろう。

物語を 自分の生活と 結びつける。ここで ハブルータが「日常」に なります。

Dinner with friends
親子で 話そう · 自分につなぐ
君も、楽しみに してたのに うまく いかなかった こと、ある?
どんな時? その時 どうした?
こわい目や いやな目に あった あと、どうやって 元気を とりもどした?
だれかが そばに いてくれた? 好きなことを した?
うまく いかなくても「また やってみよう」と 思えた こと、ある?
なわとび? じてんしゃ? どんな 小さなことでも OK。
📍 おうちで 試してみる(今夜・明日)
今夜の 寝る前に、たった 一言:
今日 ちょっと どきどきした こと、あった?

ハブルータの 問い方は 毎日の会話を、ぜんぶ 変えていきます。「お風呂 入った?」「歯みがき した?」── これらの 確認の会話に、もう一つ「どうだった?」を 足してみてください。

🐸 おとなの 豆知識

Beatrix Potter(1866-1943)は、『ピーターラビット』と 同じ 作者。実は ポターは 本物の カエルや 池の 生きものを じっくり 観察して 描いた、すぐれた 自然画家でも ありました。

この『ジェレミー・フィッシャー』は 1906年の 作品。原画・原文 とも パブリックドメイン。手元に絵本が あれば、ぜひ原画の こまやかさを 一緒に 楽しんでください。

よくある 質問

Q. 子どもが ぜんぜん 答えてくれない
→ それは "考えている時間"。3秒待って、それでも黙っていたら 「お父さんはこう思うんだけど…」と 先に出して、また 待つ。返事を 求めない。

Q. 「わからない」しか言わない
→ "正解を 求めてる" サイン。「正解は ないんだよ、なんでも OK」と 伝える。具体的に「絵のここ、何に見える?」と "見えるもの" から 入る。

Q.「答え」をほめないって?
→ 「正解」を ほめると、子どもは "親の喜ぶ 答え" を 探し始める。「そう 考えたんだね」で 受け止めるだけ。
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