アートクラス風が ふいてくる絵
ART CLASS · 夏 #01

風が、
ふいてくる絵。

ホアキン・ソローリャ《浜辺の散歩》1909年 / スペイン・バレンシア

🌬️
🌊
VALENCIA · SUMMER · 1909

すこし、目を つむってごらん。

これから 旅する一枚の絵は、ただ「見る」絵じゃない。
じーっと見ていると、ほっぺに 夏の風 が あたって、まぶしい が さしてくる ── そんな ふしぎな絵なんだ。

さあ、目と いっしょに「はだ」も つれて、まぶしい 浜辺へ 行ってみよう。

このアートクラスの楽しみ方 答えはありません。「正解」を当てるのではなく、絵を見て感じたこと・想像したことを親子で話す15分です。今日はとくに、目だけでなく「はだ(風・光・あつさ)」で感じてみてください。
CHAPTER 1

ある夏の、
まぶしい浜辺。

100年以上むかし、スペインの海べで。

今から ずっとむかし、100年以上前のこと。

スペインの あたたかい町 バレンシア。そこには、夏になると ぎらぎら 太陽が かがやく、ひろい 浜辺が ありました。

ある画家が、その浜辺で、白い服を きた ふたりが なみうちぎわ を 歩いている ところを 描きました。

まずは なにも 考えず、絵の中を ゆっくり 散歩してみよう。

ソローリャ 浜辺の散歩
Joaquín Sorolla《Paseo a orillas del mar(浜辺の散歩)》1909 — Museo Sorolla, Madrid (パブリックドメイン)
親子で話そう・じっくり見てみよう
何が 見える?
指さしながら「これは何?」と一緒にさがそう。白いドレス? ぼうし? うしろの 海は どんな色?
この浜辺は、あつそう? すずしそう? どんな におい がしそう?
いま 何時ごろだと思う? 朝? お昼? 夕がた?
保護者の方へ まだ作者やタイトルは深く教えません。「海がキラキラ!」「ドレスが ふわっとしてる!」など、自由な観察を引き出すのが目的。お子さんの言葉を「ほんとだ、◯◯だね」と繰り返してあげましょう。
CHAPTER 2

どうして、
こんなに まぶしいの?

ソローリャは「光の画家」。

この絵を描いた 画家の 名前は ソローリャ。みんなが「光の画家」と よんだ ほど、まぶしい 太陽の光を 描くのが、世界一 じょうずな 人でした。

白いドレスを よーく 見てみよう。ぜんぶ 真っ白じゃ ないよね。日のあたる ところは まばゆい白、かげの ところは うすい 青や むらさき。光と かげを ならべると、ぬのが 太陽で かがやいて 見えるんだ。

足もとの すなや 水にも、空の色が うつって、きらきら ゆれている。ソローリャは「夏の光」を、絵の中に とじこめたんだね。

白いドレスと夏の光
親子で話そう
いちばん まぶしい(明るい)のは、絵の どこ?
🔍 ふかぼり: かげは ぜんぶ 黒? それとも 青っぽい? よく見てみて。
白い服に「青」を まぜると、どうして 太陽が あたって 見えるんだろう?
明るい所と くらい所が となりに あると、明るい所が もっと 明るく 見えるよ。

🎨 おとなの豆知識

作者は スペインの画家 ホアキン・ソローリャ(Joaquín Sorolla, 1863–1923)。地中海の強い陽光をとらえる手腕から「光の画家(pintor de la luz)」と称されました。本作《浜辺の散歩》(1909) は故郷バレンシアの海辺が舞台。白い衣の陰影に青・紫を置く手法で、布が陽射しに輝いて見えます。現在はマドリードのソローリャ美術館蔵。(出典: Museo Sorolla / Wikipedia "Joaquín Sorolla")

CHAPTER 3

風は 見えないのに ──
どうして わかるの?

ソローリャの、まほうのような しかけ。

ここで しつもん。 って、目に 見える?

見えないよね。すきとおっていて、形も 色も ない。それなのに ── この絵を見ると、海から 風が ふいている のが、ちゃんと わかるんだ。

どうして だろう? よく見て。ドレスの すそが ふわり と 横に ながれ、頭の うすい ベールが ぴらぴら なびいている。ソローリャは、見えない風を「風で うごく物」を 描くことで、見えるように したんだ。

風になびくドレスとベール
親子で話そう
風が ふいている と わかるのは、絵の どこを 見たから?
🔍 ふかぼり: もし 風が やんで しずかだったら、ドレスは どんな形に なる?
風は どっち から ふいてる? 海から? それとも 町から?
ぬのが ながれている むき を 指でなぞってみよう。
保護者の方へ 「見えないもの(風・音・におい・気持ち)を、見える物で表す」── これは表現の核心です。"風そのもの"は描けないけれど、"なびく布"なら描ける。この気づきが、後で作文や絵の力になります。
CHAPTER 4 · はだで感じる

ふたりは、
画家の 家族。

いっしょに 歩く、しあわせな 時間。

じつは、絵の中の ふたりは、ソローリャの 本当の 家族。おくさんの クロチルデさんと、むすめの マリアさん だと いわれているよ。

大すきな 家族と、夏の 浜辺を ならんで 歩く。なみの音、あつい すな、ほっぺを なでる しおの風 ── ソローリャは、その しあわせな 夏の一日 を、まるごと 絵に のこしたかったのかもね。

さあ、君も はだで 感じてみよう。

五感で 想像する
この絵に 入れたら ── すなは あつい? 風は つめたい? 水は どんな かんじ?
大すきな人と 浜辺を 歩くなら、君は だれと 歩きたい?
📍 やってみよう: 立ち上がって、浜辺を 歩く まねを してみよう。風が ふいたら、ドレスや かみは どう うごく?
🌊☀️🌬️
きょうのアートクラスは、
ここまで!
一枚の絵が、夏の光海の風
いっぱいだったね。

ソローリャは「光の画家」。
白い服に 青や むらさきを まぜて、
太陽を かがやかせた。
そして、見えないを、なびく ぬので 見せた。

目で見るだけでなく「はだで 感じる」と、
絵は もっと たくさんのことを 教えてくれる。
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保護者の方へ 締めくくりに ひとつ遊びを。外に出て 目をつむり 30秒、はだで 感じたことを 言葉にしてみてください。「風が つめたい」「日なたが あつい」── この問いが、子どもの 感じる力と それを 言葉にする力 を育てます。お散歩・海・公園でも続けられます。